三ヶ月過ごしてきたHvar島ともお別れの時が来ました。
滞在中、Belly Dance関係の作品を二本作り、上映会の準備などで忙しく時間が過ぎたけど、このすばらしいの環境のおかげで "ゆったり" 忙しく過ごせました。
6年前、初めてここに訪れた時は12月〜8月までの9ヶ月間(当時は映画『バルカンへ』の編集と、この島の撮影も行っていました)、今回は9月〜12月。
人生の中の丸一年間をこの島で過ごしてきたので、第二の故郷のような気さえします。
最後の数日は、島の友人たちとジャムセッションNightしたりして、お別れパーティー的な集まりを開催してもらいました。
そして快く家を貸してくれたタクジロウ、ありがとう!
彼は今バリ島のウブドの田んぼの真ん中でカフェをやっているので、バリへ行く機会がある方は是非遊びに行ってみて下さい!
ザグレブへ
12月3日上映会当日、ザグレブへ向けて出発。
内陸部に入ると雪が積もっていました。
今まで滞在してた地域が 『ヨーロッパの避寒地』 と呼ばれるのがよく分かります。
そして、この地域でたまに見かけるのが"地雷注意"の立看板。
90年代の紛争の時のものです。
バルカンでの上映会に向かう道っぽいじゃないか!
劇場 "Kino Europa"
今回の会場 "Kino Europa"は、首都ザグレブの中心地にある古くて素敵な劇場でした。
想像以上に大きな劇場だったので、到着したとき一瞬呆然と立ち尽くしました。
ー最高だぜー
上映会もいいけどライブもしたくなる場所。
こんな劇場で作品を上映させてもらえて、本当に光栄です。
映写室にはなんと45mmフィルムの映写機が設置されていました。
粋だねぇ〜
「今日は何時から映画始まるんだい?」
ロビーに座っていたウィリアム・バロウズのようなお爺さんが聞いてきたので、
「5時半だよ。おれが作った映画を上映するから是非観に来てね!」
と伝えたら笑ってうなずいてくれ、お客さんを少なくとも一人確保しました(^^)
「モク!」
しばらくすると、主人公のベキムがスロベニアから到着。
5年の歳月の末、ついに果たせたベキムとの再会。
おれたちは抱き合って再会を喜び合い、そして‥
「ラキア※(50度バルカンのブランデー)飲むか!」
とすぐに劇場内のバーへ移り、開演前のスピーチが始まるまでさっそく飲む事に‥ ベキムの破天荒ぶりも健在で、嬉しくなりました(^^)
全ては冗談から始まった‥
今回のポスターのチャッチコピーの最初の一行。この映画は「旅に出て映像作品を作りたい」と思っていたオレと、「追われた祖国を旅して、映像に残したい」と思っていたベキムがインターネットを通して偶然出会った事から始まりました。
彼から届いた誘いのメールに「参加するぜ」と即答し、仕事もアパートも引き払い、おれはベキムとの旅に飛び込みました。詳しくはこちらを見て下さい。
初めて出会ったとき、ベキムは
「よく 見ず知らずのオレを信じてここまで来てくれたね。おれがお前だったら怖くて来なかっただろう」
と言ったくらいだから、このプロジェクトは本当にベキムの冗談から始まったのです。
その冗談に本気で乗っかり、撮影・編集してきました。
一度はハードディスクが壊れて、また最初から編集をやり直すという困難もあったけど、何とかこの日を迎える事ができました。
スピーチ
スピーチはおれがトイレで用を足してる間に始まっていて、遅れて劇場内に入ると、壇上にいたベキムに
「今、やっと監督のモクがトイレから戻ってきたぜ」
といきなり間抜けな紹介をされ、笑いと拍手で迎えてもらいました。
「おれは、フリーランスの... 旅人です」
場内が温かい空気だったので冗談を交えながら話しました。
平日の5時30分スタートにも関わらず、60名ほど集まってくれました。
「作品を編集してるうちに、『一体誰がおれたちの個人的な旅の記録を見て喜ぶんだろう?』 と疑心暗鬼になった時期もあったけど、全てのラブソングは個人的な体験を表現して、多くの人々の心に響く。だからこの作品も皆さんの心に何か届くかもしれないので、楽しみにして下さい」みんな拍手で答えてくれ、いよいよ上映開始。至る箇所で声を上げて笑ったり、色んなリアクションがあって、複雑な民族問題も絡んでいる作品にも関わらず、楽しんで観てくれているのが伝わって一安心。何よりこの素敵な劇場で、ベキムと共にビールを飲みながら作品を鑑賞している事自体が おれには夢のような時間でした。エンドールが終わると拍手が湧き起こり、おれは立ち上がってお礼を言い、映画鑑賞のために時間を割いてくれたお客さん全員に出口で握手をして感謝を伝えました。
打ち上げ
6年前に出会ったイカしたバンドVuneny のギタリスト・ナディムが打ち上げをセッティングしてくれ、ライブBarで楽しく過ごしました。
「来年ドブロブニクで映画祭を企画してるんだけど、是非『バルカンヘ』を上映したい」
とキュレーターのおばさんから申し出があったり、なぜか哲学の教授から講義の依頼もあり、楽しい夜になりました。
次の上映会は7日、港町リエカです。
その後はネパール・インド方面の旅を計画していたのですが、二月から受けていた自然番組の仕事が前倒しになったので、すぐ帰国し、迫っているロケまでに打ち合わせ、機材の調達、構成もしっかり練り込まなければならないので、怒濤の生活が待っています。
Screening @ Kino Europa, Zagreb
Kino Europa was incledible! One of the best theater in my life. Old and lovely.
I was very happy to show my film there.
"Moku!"
Finally Bekim(the main character of the film) showed up.
We huged. Then...
"Let's drink!"
We start to drink at the bar of the theater.
"Everything started from jake..."
Bekim wrote this for the poster.
That's true.
This film happen by accidentually. We met throgh the internet by accident.
I wanted to make film of travelling. Bekim wanted to travel his homeland the Balkans to serch something what he has lost since he moved to Norway in 1993 as a refugee and filmed this trip.
That's how we met and this film came.
Around 60 people came to watch the film. Sometimes people laughed and had some reactions.
And I was very happy to watch our film together with Bekim at the wonderful theater.
Thank you for all the people who support us to have this screening. I appriciate a lot!