バルカン半島の旅 No21 (最終回). 「帰路」
オスロにて
8月末の夜遅く、おれたちはオスロのアパートにたどり着いた。
約3ヶ月ぶりのオスロ。
ノルウェー人のペーターは久しぶりの故郷に戻って幸せそうだった。
ボスニア人のベキムは今までになく深く故郷のバルカン半島を旅したので、”生活の場” オスロに戻ってきて寂しそうだった。
「もう以前のおれには戻れないさ。今のバルカンを生きている連中と深くつながれたし、この旅はおれを強くしてくれたんだ」
疲れた口調のベキム。
「結局黒海にはたどり着けなかったけど、そんな事はどうでもよくなったんだ。過程そのものが重要だったんだ」
とペーター。
先へ先へと急いでばかりいた頃と比べてなんて変わりようだろう。
こうして、ベキムとペーターは「生活」に舞い戻った。
そしておれも彼らへの最後のインタビューを終え、カメラを置いて泥のように眠った。
帰路
8月6日。スメデレボから更にドナウ川を下ると小さな島が見えてきた。
「‥あの島で引き返そう」
とベキム。
そこがおれたちの旅の折り返し地点となった。
少し前からベキムは「黒海はあきらめよう」と言ってきていたのだ。
学生のペーターは大学の新学期が始まるから仕方ない。
そして、最初はこの旅を続けるために仕事を辞めると言っていたベキムも、最終的に仕事を選んだ。
そりゃそうだ。仕事を捨ててしまったら その後の生活に支障が出るのだから。
おれは引き返す事に同意して、最終目標だった黒海到達をあきらめる事にした。
最初の予定どおり進めばきっとたどり着けたのだろうけど、おれたちはあまりに寄り道しすぎたのだ。
おれたちはドナウ川を上りはじめ、帰路についた。
ベオグラード、シャバツ、ミトロビツァ、ブチコ、サラエボ、そしてリエカ。
おれたちは今まで寄った街を再び訪ねながら3週間かけて帰路についた。
戻る先々でみんなに旅のエピソードをせがまれながらオスロに戻ってきた。
エピローグ
ベキムのアイデンティティ探し。
黒海まで船で横断すること。
結局おれたちはこの旅の二つの目標を両方とも達成できなかった。
「アイデンティティ」って何なのか、結局おれもベキムも分からず仕舞いだった。
おれたちは、それを探求するには怠け者過ぎたのかも知れない。
とにかく、2006年の夏はおれたち3人にとって「何か」だった。
今おれはこの旅の映像の編集を通して、その「何か」を掘り起こそうとしている。
そして、ベキムはオスロでの仕事を最終的に辞めておれと”何か”を始めることを選んだ。
あの「バルカン半島の旅」は ”何か” のスタート地点になった。
つらつら長ったらしく続いた「バルカン半島の旅」は、とりあえずこれで終わります。
さんきゅー。いえい。
Balkans Travel Chapter 21. "Returning"
Returning
On 6th August.
One small island appeared in the Danube.
"Let's make turn at that island, huh?"
Bekim said.
Then we took the way to go back.
Since few days before, Bekim was suggesting to give up to reach to the Black sea.
No choice. Petter should go back to the university in Oslo.
And Bekim also choose to go back to Oslo. Even though he was thinking to quit his job for this travel.
I understood. It's important to keep your job whatever.
So I agreed to go back and to give up to reach the Black Sea.
We took the way to return to Oslo.
The end of August, We reached to their apartment in Oslo again.
A Norwegian boy Petter seemed happy to come back to his home country.
A Bosnian guy Bekim seemed sad to left his home land the Balkans.
"This travel changed me forever. It made me stronger than before"
Bekim said.
"Eventually, we couldn't reach to the Black Sea. But getting the goal is not point for our travel. The process itself was important"
Petter said.
How he has been changed! At the beginning, he was always rushed to move to next destinations.
Somehow, they came back to their "Daily life"
I shot the final interview to them. And I fell in sleep like a baby.
Epilogue
That's how, eventually we couldn't get two of our object.
one was to get the Black Sea.
another one was to find out Bekim's identity.
We were too lazy to get them.
But, somehow that summer in 2006 was " Something" for three of us.
Now, eventually Bekim quit his job in Oslo.
And choose to do something with me.
That's how That travel becames the beginning of our friendship.
Thank you for following this travel so far.
Coming Soon!
We're gonna start to travel again!
From 28th Apr, We travel Macedonia and Albania.
Most chaotic countries in the Balkans.
Somehow we're gonna try to catch one gypsy festival.
Then.. we don't know as usual.
Dear sweetie boys,
Have a nice jorney & take care of & love
yourself. Here from you soon!
Posted by: noricocon@CH | Apr 25, 2007 at 22:41
目標も大事だけど結果的に得たものが有るならそれもアリだろ。
川を下ってハックも少し大人になった。寺岡黙も少し男前になったか?
忘れられない夏がまた一つ出来たんだろ、うらやましいね。
バルカンの後も冒険は続くのか?期待してるよw
Posted by: わるぞー | Apr 26, 2007 at 00:50
まだ黙さんの旅は終わってないよ~。編集作業があるもの。むしろこれからなんじゃない?上映会楽しみ!東京でやるときはお手伝いさせてね。
Posted by: NR | Apr 26, 2007 at 11:55
なんだ次の冒険は???
続き楽しみにまってるよ!
Posted by: Arai | Apr 27, 2007 at 21:01
わるぞー
たらたら続いたけど最後まで付き合ってくれてありがとー!
旅はつづくぜ。わるぞーの旅も続いているように。
NRさん
初めまして、ですか?とにかくコメントありがとー!
そうだね、編集がんばりまーす!
Arai
Arai の旅はどうだ?
ソしてババズーラとの仕事はうまくいった??
7月にまた彼らのツアーに参加するかも!?
Posted by: もく | Apr 29, 2007 at 00:53
素晴らしいなおまえ…
Posted by: のなかひろし | Apr 29, 2007 at 05:12
目的地の黒海行けず、残念。
いつの日か黒海に行くことができる。
でも、人との出会いが最高の宝ですね。
知らない地で、人に助けられたり、助けたり、嫌なこともあったりするけど、なんかバンザーイ!って感じ。
では。。
Posted by: tennen | Apr 29, 2007 at 11:00
のなかひろし
元気?バンドに仕事に家庭に、全てが順調にいってることを願ってるぜ!
tentenさん
初期から見ててくれてありがとうございました!
Posted by: moku | Apr 29, 2007 at 23:02
え~?もくさん、わかってくださいよ。
ノーラですよ。
NouRah
って、わかりにくいか?!
イスタンブールにヘレンさん行った?今日ちょうどレベントにKavalという楽器を友達が欲しがっているとメールしたら、ヘレンという黙の友達がおとつい買ったばっかりだ。不思議なつながりだね~。と返事がきた。
Posted by: NR | May 07, 2007 at 19:14
NR
のーらだったのかぁ!
ありがとう、編集大変だけどやりがいがある!
上映会手伝ってね!
ヘレン東京にいるはずだから是非会って!
不思議なつながり えいえーい!
Posted by: もく | May 08, 2007 at 21:13