「私は、例えどんなにいい人でもドイツ人を心の底からは好きになれない」
インドを旅していたときに、イスラエルの友人が言った。
第二次大戦のナチスによるユダヤ人の大量虐殺の事を言ってるのだ。
頭では「いい人」だと分かってても、感情的には今でもドイツ人を受け入れ難いという。
旅先で色んな国の旅人が集うと、よくこういうポリティックな議論になる。
「アメリカは日本に対してナチス以上にひどい事をしてきたのに、日本人はアメリカに対して私たちと同じような感情は持っていないように見えるわ。 逆にアメリカを追いかけているようにさえ見える。 どうしてそんな風になれるの? 特にあんたはヒロシマ出身でしょ?」
「‥‥わからない」
そんな事、疑問に思った事さえなかった。
原爆の事はもちろん知っていたし、まして身内に被爆者いるにも関わらず、おれはそういう憎しみやネガティブな感情を米国に持った事はなかった。
なぜ、自分がそういう気分にならないのか、今でも理由は分からない。
「日本人は忘れっぽいのかな」 くらいに片付けていたけど、最近、田母神元航空幕僚長の講演から、その原因の一つかも知れない話しを見つけた。
氏は政府によると危険人物らしいので思想の事はさておき、とにかく世界を旅するときに、プロパガンダに汚染されてない本当の近代史を知っておく事は、すごく重要だなと、色んな場面で感じた。
また、今まで旅してきた国々では、国を代表する人が、自分の国を守る為に命を落とした戦没者に対して敬意を表するのは当たり前の事だった。喧嘩両成敗じゃないけど、どっちがいい悪いではなく敬意を表するのは当たり前のこと。
同じ事をして悪く言われるのは日本だけだった。
そしてこういう事を話題にするだけで 「あいつ右翼だ。ナショナリストだ」 という空気になるのも、日本に戻って感じた事。
あえて誤解を恐れず言うと、旅先で「おれは日本人でよかったなぁ」 と思う事が多かった。礼儀の正しさや細やかな気遣いのできるのは、日本人の国民性なんだなと旅に出て初めて気づいた。
また旅先で、自分の祖国に戻れない人たち、戻る祖国がない人たちに会うと、
「帰れる自分の国を持っているおれは、ラッキーなんだなぁ」 と感じた。
んな訳で、日本はとても大切にしたい国だー!