スタリグラッドでの日々
アドリア海に浮かぶHVAR島の小さな町、スタリグラッドに来て2ヶ月以上が過ぎています。
ここでおれは夏のバルカン半島の旅の映像を編集しているのだけど、膨大な映像素材があってシナリオがある訳でもないので、作品になるまではヒマラヤの山を登るような気分。
毎日ゆっくりとこの山を登っています。
HVAR島はクロアチアの中で最も日当りの良い場所と言われていて、本当に快晴の日が多いです。部屋の中で編集していてもウキウキしてくる。
なので日中はよく山や海へ出かけ、素っ裸で泳いだり(もちろん冷たいけど気持ちいい!)ヨガなどして休憩しています。
アジア人のおれはスタリグラッドでは明からさまによそ者なので、通りで会う人たちには笑顔で、「こんにちは。お元気ですか?」と声をかけるようにしています。
※夏の旅ではスラングしか覚えなくて「ヘイ!調子はどうだい!?」 ってな
調子 だったけど、最近はちゃんとした言葉を覚えるようになりました。
小さな町のせいか、“ 彼らの生活の中にお邪魔させてもらっている ” という気分になるので「おれは悪い奴じゃないぜ!」と村人たちに伝えたいからです。
その甲斐があってか、最近は町の人たちとも距離が近づいてきました。
ルイ
ルイと出会ったのは、スタリグラッドの周りに広がる農地を散歩していた時。
「どこからやって来たんだね?」
とおれに声をかけてくれたのが、きっかけでした。
ルイは農夫で、ジョンレノンやハービーハンコックと同じ1940年に、南アフリカ生まれたそうだ。
そしてビートルズがデビューする2年前の1960年に両親の生まれ故郷のクロアチアへ渡ってきたという。
ある日おれは、
「カメラを持ってきて畑仕事を撮影してもいいかい?」
とルイに切り出しました。
「勿論だとも」とルイ。
これを皮切りに、おれのスタリグラッドでの撮影が始まりました。
スタリグラッドの風景はどこもかしこも絵になるので、撮影していてとても気持ちがいい。
ルイが一輪車を押して一本道を歩く姿など、いつまででも見ていられる。
ルイはとても協力的で、おれに町の職人さんや結婚式を控えた家族などを紹介してくれました。
それは嬉しいんだけど、どうも紹介する時に「日本のテレビの撮影なんだ」と紹介してるみたいで困った。おれが「やめてくれ」と言っても
「なに、そう言っといた方がいいのさ」と言ってきかない。
こちとらテレビの人どころか無職の旅人だってぇのに。
おかげで結婚式を撮影した時には大勢の人たちが「おお、日本のテレビの撮影が来てるのかい?」とみんな噂してて、どうも落ち着かなかった。
でも結婚式に立ち会えたのはうれしかった。
まずはさんざん新婦の家でみんなで飲んで歌った後、新婦の父娘を先頭に参列者たちが教会までぞろぞろ歩くのだけど、普段すごく静かな町だけにそれだけで圧巻でした。
そして古くてとても絵になる町なので、まるでテオ・アンゲロプロスの映画のワンシーンのよう。アンゲロプロスのような映像が収められたかどうかは別にして・・
来週は漁師たちと同行して一緒に海に出かけます。
最初にここに訪れたとき、まるで町全体が眠っているみたいに静かで驚いたけど、同時に静かに流れているはずの人々の生活のひだに触れてみたいとも思っていました。
ゆっくりと町の人たちとの時間が流れ始めようとしています。
・・おっと、編集も忘れちゃならないぜ。
Daily Sketch in Stari Grad
Already more than 2 months have passed since I arrived in Stari Grad - the small town on Hvar island in Adriatic.
Here, I' ve been editing my film of Balkan travel from last summer. But I have so much footage and no stories yet. So I feel like I'm climbing Himalayan mountains.
Everyday I keep on climbing this mountain slowly slowly.
Hvar island is the most sunny place in whole Croatia. And it is. Almost everyday is very fine, even though I sit all day in front of my laptop. I feel very fine vibes from whole island.
During the day, I hang out on the mountain or the sea and swim naked and do YOGA.
It's very good relaxation.
In Stari Grad, I look like a stranger. So I've always said " Hello, How are you? " to everybody who I meet on the street.
Because I want to tell the people that " I'm not a bad guy".
So lately I have become close to local people.
LUI
I met Lui, when I was walking in a vegetable field.
" Where are you from?"
He asked me. That's how we became friends.
Lui is a farmer. He was born in South Africa in 1940, same as John Lennon or Herbie Hancock.
And he moved to Croatia in 1960.
One day I asked him.
" Can I shoot you working?"
" Of course" he answered.
Then I started to shoot in Stari Grad.
Here in Stari Grad,everywhere is a picture.So I'm very happy to shoot.
Lui introduced to me other people for shooting as well.
But he introduced me as a Japanese TV person.
So when I shot one local wedding ceremony , people considered me as a TV directer from Japan.
It was a little bit of pressure for me. Because I have no job, I'm just a traveler.
Anyway this wedding was very impressive.
Because usually Stari Grad seems like a sleeping town, but suddenly many people appeared and marched on the street in this old beautiful town.
It was kind of dramatic for me.
I wanted to shoot it like a Theo Angelopoulos's film, but...
Next week, I'm gonna shoot a fisherman's work in the boat with them.
Slowly slowly I've begun to stay with local people.
相変わらずやってるな。
それにしても素晴らしい写真ばかりだ。。
Posted by: のなかひろし | Mar 14, 2007 at 04:54
のなか
バンドは順調?
Posted by: もく | Mar 14, 2007 at 22:10
どうだろう。
ドラムの奴がム所入っちゃってさ、
今ドラム探してるけど、
何とかサポートでライブはやれてる。
誰かいいドラマー紹介して。
それと、黒川裕一って人知ってる?
その人の映画にAlaskaの音楽を使うかも知れないからって、
この前熊本に音源送ったんだ。
それとたまには顔出せ!
↓↓↓
http://www.alaska.jp
Posted by: のなかひろし | Mar 16, 2007 at 15:54