雨降るスプリットで友人のラグビー選手・勝野大と再会した。
— シーズンが終わったら『もくをたずねて三千里』の旅をしようと思うんだ。
とメールをもらって2ヶ月後の事でした。
大は旅行先のイタリアから船とバスを乗り継いで、ほんとにおれを訪ねてくれたのだ。
こうして旅先で大と再会するなんて、おれたちが初めて出会った時の事から思うとほんと不思議だ。
始まり
大と初めて出会ったのは2001年。
おれは初めての旅から日本に戻ったばかりで、住む場所もお金もなく兄の家に居候させてもらってた時期でした。
あるミュージシャンのお宅に夕食に誘っていただいた時に、そこに色んなスポーツ選手の人たちが集まっていて、大はその中にいたのです。
「おれ、トヨタやめてニュージーランドでプレイしたいんですよ」
その夜、大は自分の考えをみんなに打ち明けました。が、
「お前なに言ってんだ!?」
「考えが甘ぇよ!」
「せっかく今いいポジションにいるのになんで!?」
と、その場にいた人たちの猛反対にあってました。
「絶対に行った方がいいよ!」
その時、おれだけ大の挑戦に賛成していました。
おれにとって挑戦だった一年数ヶ月の最初の旅はおれの人生を変えるほどの時間だったので、大の挑戦にも自信を持って賛成できたのです。絶対後悔はしないだろうと。
結局それっきり大とは会う事はなかったので、その後彼がどういう決心をしたのかは知る由もありませんでした。
再会
それから4年後のある夜 。行きつけになった近所のBAR、"After Sayak" で店の姉さんジャスミン(詳しくはオレの作ったドキュメンタリー「神2ナイト」を見てね)と話してた時のこと。
「おれ一度だけラグビー選手と飲んだ事があるんだよね」
「あらそう?わたしのイトコにも一人いるよ、ラグビー選手」
「へ〜。何て言う名前?」
「知らないと思うけど、" 勝野 大”っていうだよね」
「?・・知ってるよ!そいつだよ!おれが一緒に飲んだ選手って!」
なんとジャスミンと大はイトコ同士だったのだ。
「で、結局 大はニュージーランドへ行ったの?」
ジャスミンの話によれば、大はその後ニュージーランドとイングランドのチームで3年間プレーし (しかも3年間で130試合!)、一週間後に日本に戻ってくるという事だった。
「出発前に大から、
『ひとりだけ賛成してくれた奴がいた』って聞いてたけど、あんただったのね!」
とジャスミン。
そして一週間後、おれたちはついにAfter Sayakで再会した。
「大、覚えてる?おれのこと」
「もちろん覚えてますよ」
こうしておれたちはお互いの旅を経た後に友達になったのです。
帰国した大は業界一の神戸のチームに入りました。
そしてスタリグラッド
クロアチアで最も日照時間の長い場所、ハバール島も大が到着した途端に土砂降りになりました。
色んな場所を見せるつもりでいたので残念だったけど、その雨男っぷりに笑えたし、とにかくスタリグラッドまでわざわざ来てくれた事が何より嬉しかった。
スタリグラッドでは、いつもおれが裸で泳いでいる海に連れていくと、雨にも関わらず「おれ泳ぐわ」と、大もやっぱり裸で泳いでました。
となりの村に住むアメリカ人のアニーの所で寿司パーティーをしたり (旅を始めて以来8ヶ月ぶりの和食!寿司!うまかった!)、農夫のルイの家で自家製のラキアやワインをご馳走になったり、おれのここでの友人たちを紹介できたのも嬉しかった。
そして何より大はこの辺りの素朴な町や人を気に入って、バルカンの魅力に気づいてくれたのが嬉しかった。
更にこの地域がまさに『紅の豚』の舞台だって事が発覚し、大は島での滞在を楽しんでいました。
最終日の夜、スプリットで地元の人から「近所にラグビー場がある」と聞いた途端に大の目の色が変わり練習着を持って「行きましょう、グランドへ!」と、さっきまで腹が減ってたのも何のその、ことラグビーに関しては目がないのが笑えた。
また旅先で会おう!と約束して大は次の目的地ウィーンへ向かいました。
一体次はどこで大に会うのだろう?予測がつかないから楽しみだ!
My Friend, Dai.
My Friend, Dai.
My Japanese friend Dai came to see me in Croatia.
Dai is a professional rugby player.
We have have been connected by a strange fate.
Beginning
We met the first time in 2001.
At that time, I had just come back from my 1st travel.
One day, I got an invitation from a musician for dinner.
There were many sports players at his house. Dai was one of them.
" I want to quit TOYOTA (the team he belonged to), and I want to try to play in New Zealand"
He confessed his decision that night.
" What the fuck are you saying!?"
" You don't know what are you talking about! "
" Why? You're already in a good position at TOYOTA? "
Everybody was opposed to him.
" You should go! "
Only me, I agreed with his challenge.
Because I had just come back from my 1st travel. It was my big challenge. 1 and half years, it was a golden period for me.This challenge has changed me forever.
So I pushed him.
Meeting Again
4 years later.
When I was drinking at the Bar near my house, I was talking with a woman of this bar.
" Once I had dinner with a rugby player " I said.
" Really? I have a cousin. He is also rugby player " She answered.
" What's his name? "
" Maybe you don't know. His name is Dai "
" Oh my buddha! That's who I met 4 years ago! "
They were cousins. I couldn't believe it !
" So, Eventually did he go to New Zealand ? "
She said that Dai had played in New Zealand and England for 3 years.
And next week he was coming back to Japan.
" Dai told me " only one guy pushed my decision" . It's you, Moku! "
1 week later I met Dai at the same bar.
" Hey Dai, Do you remember me?"
" Of course "
We became friends after our travel was finished.
In Croatia
We had a nice time here in Stari Grad.
He swam naked as I usually do.
And we had a sushi party at one American woman's house.
And the farmer Lui gave him local wine and Rakija.
He really liked the Balkans. That makes me happy.
" See you somewhere in the travel! "
He left.
I'm looking forward to seeing where we will see each other again.
ええ、はなしや。
黙は、勝野さんの失うものより、危険をおかしても、えるもののきさを知っていたんだね。
また、そういうことを伝えるのって、すんごく難しいんだと、最近おもっているよ。
何は、ともあれ、勝野大さんに乾杯。
Posted by: Goro | Feb 15, 2007 at 03:34
ゴローさん
久しぶり!元気?
ニューヨークは寒い??
いえい、大に乾杯!
Posted by: moku | Feb 15, 2007 at 05:44
黙さん、ひさしぶり。
”危険をおかしても得るものの、大きさを、”
でした。
さむいよー。昨日、年になって、一番雪ふったよ。そっちはどうよ。
いきたいなー、クロアチア。
あしたでも、近所のクロアチアバーの弾き語りでも聞きにいこうかな?
Posted by: Goro | Feb 15, 2007 at 16:25
ゴロさん
こっちは晴れの日には泳いでるよ。
異常気象らしいけど。
そのうち会いそうだね!
楽しみにしてます。
Posted by: moku | Feb 18, 2007 at 03:03
黙ちゃん ナイス編集。
Posted by: 大 | Feb 19, 2007 at 01:50
贈る言葉
旅をしている間、母国であなたを思い続けてくれている両親、仲間、友達、恋人...etc
あなたが旅を終えた時、それらの一切を失いますか?
旅人よ、全てを捨てて旅に出たなどと思い上がっていてはいけない。
旅人よ、旅で得たものだけがあなたの宝だなどと思って他のものを粗末にしていてはいけない。
旅人よ、あなたに向けられる賛同や賞賛の声だけを聞いていてはいけない。
旅人よ、旅先で出会って間もないあなたに話せる話だけを貴重だなどと満足していてはいけない。
旅人よ、あなたより劣る人間がいるだなどと傲慢になってはいけない。
旅人よ、あなたが誰かに何かを教えることができるなどと錯覚してはいけない。
旅人よ、旅人よ。
もとになっているのは、英語で書かれた詩です。
本物はもっと長く続いています。
旅の間、心に留めておいてもよいのでは?
Posted by: 名無し | Feb 20, 2007 at 02:45
大
編集ってなんの事??
あんたこそナイス旅人!
名無しさん
全くあなたのおっしゃる通りです
だからどうか放っておいて下さい
糸の切れた風船みたいに
どこへゆくのか、風に聞いて下さい〜
ってこれも詩。
昔やってたバンドで作ったんだけど。
Posted by: moku | Feb 22, 2007 at 01:56
それってもしやピシキリ?そんな古くないかな?
大さんとのお話すげーグッと来ました。
偶然が重なった男の友情に涙。
沖縄も楽しかったよ。
うっかりクジラに喰われるかと思いました。
全ての旅する人にカンパーイ!
Posted by: ヤスコ | Feb 28, 2007 at 11:34
ヤスコ
「ピシキリ」なんて、なんで知ってるの!?
この曲はマンガンズのとき。
楽しい休暇を過ごせたみたいで何よりだ!
Posted by: moku | Mar 01, 2007 at 07:05
いいねぇ、いいねぇ。
先日、部屋を片付けてたら、1本のカセットテープが出てきたよ。
タイトルは、
「モク、ボブライヴ@槍ヶ岳山荘」
風向きが変わったら
・・・また、いつか!
Posted by: muneo | Mar 05, 2007 at 23:31
へいむねお!
chowkはどうだい?お互いのんびりいこうぜ!
Posted by: もく | Mar 08, 2007 at 01:59