映画祭が終わると、ベキムとの新作の撮影のためボスニアのブルチコへ移りました。
サバ川と一年ぶりの再会。
こないだの大洪水が嘘のような、いつもの穏やかなサバ川。
サバ川はベキムの心の故郷だけど、もはやおれにも大切な場所。
おれたちの船「サブスカ•ブバ号」が洪水で流されたんじゃないかとヒヤヒヤしてたけど、何とか無事でした。
すっかりボロボロになってたけど、とにかくこれでひとまず撮影ができる^_^
ネグロ
今回出演してくれるキャストの一人、ネグロ。
ベキムからさんざんネグロの話しは聞いていた。
二人は数年前に川旅の最中に出会ったという。
「ネグロは何も恐れていない。学校の成績はどうだか知らないけど、自分の経験から培ってきた知性を持っている」とベキム。
おれにとってベキムこそ、そういう「野生の知性」を持った男だけど、そのベキムさえも認めるネグロ。
実際会うと、ネグロは想像以上の漢(おこと)だった。これぞベキムの仲間!ってな感じです。
紛争中、ネグロは激戦区だったブルチコ(ほとんどの建物は破壊されました)に留まり、全てを体験してきた。
16才の頃はマシンガンを抱えて冬の雪の森の中に籠もり、見張り役をやっていたそうです。
紛争後、心身の調子を崩し、戦争後遺症のための病院へ行ったら、そこには自分以上にイカれた人たちで満ちていて、すぐに逃げ出したい程だった。先生に「どこが悪いんだね」と聞かれたときには「いや、どこも悪くありません」とすぐに病院を去ったそうです。
戦後、ネグロはドイツ、オランダに数年住んでたけど、「いつもサバ川の事が恋しかった」といいます。
ベキムとネグロに共通してるのは、サバ川への想い。
どんな撮影になっていくのか、楽しみです。
Brčko
Came back to Bosnia for the new project, filming with Bekim again which is very excited. River Sava is calm as usual. I didn't see so much scars from the flood. Dobro! Our boat is rusty but fine☆
I met a guy called "Negro".
He was here during the war. He has seen so many things from that period.
When he was 16 years old, he held machine gun and was watching enemies in the snow forest.
After the war, his condition, body and mental, was not good. So he visited some hopital for the people who had problem from the war. Then he saw much more crazy people there. So When the doctor asked him "what's wrong with you", he said "No I have no problem". Then he just run away from the hoptal.
Bekim said " Negro has some intelligence. Not from school but from his experience"
Negro will be in next our film. I'm excited what will happen with them.