去年、沖縄からのんびり旅をしながら東京に戻ると、大変な仕事が待っていた。
約一年半に渡る今回のJun Sky Walker (S)の再結成の活動全てを、ドキュメンタリー作品としてまとめるという仕事だった(最初は秋のツアーだけを編集するようにと言われていたのです)。
この一年半で撮影してきたジュンスカの映像の量は350時間に及んでいた。期限までに作れるか不安だった。
でも思えば2007年に帰国して、ジュンスカの再結成プロジェクトの話しを聞いたときに
「ぜひ今回の活動のドキュメンタリーを作りたい」
と思っていたので、気付けばその夢が叶っていた。
当初はオレの意見は流されてたけど、最初のアー写(アーチストの宣伝用の写真)撮影のときからビデオカメラを持ち込み、「いつか絶対に使える」と思って撮影を開始していた(スタジオ内ではビデオ撮影禁止だったので隠し撮りだったけど‥)。
そして今回の作品で、その時の映像はイメージ通りに使うことができた。
タイトルは「Lost and Found」←( “ なくし物を見つける場所 ” もしくは “ 失ったもの、見つけたもの ” という意味 )と提案し、採用された。
去年バンドと行動を共にさせてもらって、メンバーそれぞれに今まで失っていたものと、今回取り戻したり、新たに得たものがあるんじゃないかと感じたので、それを表現したいと思ったからだ。
メンバーには改めて一人ずつ2時間近くに及ぶインタビューに協力していただき、2ヶ月近くかかって何とか作品にする事ができた。
納品した夜は部屋で一人でワインを飲みながら、ささやかな打ち上げ。
ジュンスカのライブの打ち上げの華やかさに比べればかなり地味だけど、満足な気分と充実感があった。
今回こうしておれをプロジェクトに誘ってくれ、作品を作る機会を与えてくれたメンバー、会場に来てくれたファンの人たち、レコード会社トイズファクトリー、戦友・田川監督にも協力してもらい、ほんとに感謝の一言です。
作品は3月25日にDVDとして発売されるそうです。2枚組で野音のライブがメインで、ドキュメンタリー「Lost and Found」は二枚目のディスクになるそうです。
最後にDVDのCM用のスポットを三本作って、長かったジュンスカとの旅もついに終わった。
スポットを納品した直後、去年旅の途中で出会った素敵なミュージシャンCaravanが自分のライブの前に遊びに来てくれ、セッションなどして楽しい時間を過ごした。
出会ったばかりのおれを気軽に訪れてくれる、Caravanのオープンな気持ちが嬉しかった。
そのあと一緒に会場のリキッドルームに行き、ビールを飲みながらCaravanの温かいライブを楽しませてもらい、嬉しい打ち上げになりました。
さらにご褒美!
ジュンスカの仕事が終わってすぐ、なんとJun Sky Walker(S)リーダーの純太くんのレコーディングでベースを弾かせて頂いた!!
森純太の世界を一緒に作り上げることができるなんて‥
11年ほど前に純太くんと一緒にレコーディングした事があるのだけど、当時より今の方が自分の演奏を客観的に見る事ができるようになっていた。
ステージには随分上がってないけど、旅先でジャムセッションなど音楽をずっと続けてきたので、その経験が8ビートの純太くんの楽曲にも役立った。
「こんなのどうですか?」とか、冗談も交えながら、楽しくのびのびと演奏することができました。
12才の頃からのヒーローと一緒にレコーディングするなんて、なかなか経験できる事じゃない。二ヶ月間ぶっ続けで仕事してきたご褒美をもらったような気分でした。
そして‥
今やっと一段落ついたので、丸一年間中断していたバルカン半島の旅の作品に再び取りかかっています。
「まだやってんのか?」と言われる事もあるけど、まだやってるんだよぉ〜〜!
それまでクロアチアで編集してきた膨大なデータが壊れてしまい、またゼロから始めなければならなかったし、これを作り上げない限り、オレは先に進めない気がしているので、時間があるうちに仕上げたいと思っているのです。