バルカン半島の旅 No17. 「ベオグラード」8月1日〜
ベオグラード
いくつもの橋をくぐり、川幅も次第に広がってきた。
サバ川を下り始めてどれくらい経っただろうか。
森ばかりだった川岸には建物が増えはじめ、川の上にはボートや大型貨物船の往来も増えはじめた。
やがて遠く前方に立ち並ぶビルが見えはじめた。
バルカン半島最大の都市、ベオグラードはもうすぐそこだ。
ここまで人気のないジャングルに挟まれた川を独占してきたけど、大都市の中へ入って川の上からビル群を見上げてると、
「こんな小船で旅をしていたのか」と改めて感じた。
でもこうして川を下って街に入っていくのはなんだか誇らしいような格別な気分だ。
東京で路上駐車する場所を探すのが大変なように、ベオグラードでも船を停める場所を探すのに苦労した。
結局、サバ川が終りドナウ川に合流するあたりに船を停めた。
6月に東京を出発して以来、久々の大都市に上陸だ。
ベオグラードに残る巨大な城塞の壁はいくつかの素材が入り混じっている。
ローマ帝国、ビサンチン帝国、オスマン帝国、そしてセルビア。それぞれの時代の痕跡がひとつの城塞に刻まれているのだ。
「待たせたな!」
ぼーっと城塞からベオグラードの夕日を眺めているあいだに、ベキムの友人ジャレが現れた。
ジャレとは7月のEXIT FESTIVALで会っていたのでひと月ぶりの再会だった。
ベオグラードの博物館で仕事をしながら舞台俳優をしているジャレは、今回おれたちのために部屋をアレンジしてくれていたのだ。
ボスニアを出発して以来、おれは毎晩船の甲板の上で寝ていたので久々の外泊(?)にわくわくした。
ジャレが案内してくれたのは感じのいいマンションの一室だった。
おれたちはクーラーの効いた部屋でビールを飲み、船旅の疲れを癒した。
この夏、ヨーロッパは記録的な猛暑に襲われ、ウクライナでは暑さで道路のアスファルトが溶けるほどだったという。
幸いその時期からおれたちは川の旅を始めたので快適に旅ができたけど、街にいるとやっぱりくそ暑く、日中おれたちはほとんど部屋の中でビールを飲みながらDVDなどを見て過ごした。
おっちょこちょいのジャレ
ところでおれたちが滞在した部屋はジャレの友人の女性のもので、彼女が休暇で旅行に出ているあいだ、ジャレはこの部屋の鍵を預かっていたのだ。
「勿論その女性はおれたちが滞在すること知ってるんだよね?」
「いや、彼女には内緒なんだ」とジャレ。
‥やれやれ、勝手に他人の部屋に上がり込んでいる事が分かっておれはどうも落ち着かなかった。
しかも部屋の電話が鳴った時になぜかベキムが受話器をとってしまったので、おれたちの事が彼女にばれた。
おれたちの為になんとかしたいと奔走してくれるのはとても嬉しいけど、ジャレのする事にはいつもひやひやさせられる。
のちに川を上ってボスニアに戻る時におれたちは再びベオグラードに寄ったんだけど、その時もジャレは部屋を用意してくれた。
その時の部屋ときたら、明らかに小さな子供がいる家族のものだった。
「今度はちゃんと彼らに断ってるんだろ?」
「いいや」
「またかい!?」
「大丈夫さ、彼らは今旅行に出かけててるから絶対にばれっこないさ」
と自信満々のジャレ。
「‥‥」
その夜レストランで夕食を食べてる時にジャレの携帯が鳴った。
「まずい!子供が病気になって急に家族が戻ってくる事になった!もう彼らは家に着くころだ!」
部屋にはおれたちの荷物が散乱している。
部屋に戻った家族の主人はカンカンだったそうだ。
そりゃそうだ。子供が病気になって旅行から戻ってきたら部屋の中が他人の荷物でとり散らかっているんだから。
主人はおれたちには会おうともせず、ジャレ一人を呼び出しおれたちの荷物を引き取らせた。
ジャレの親切はいつも仇になってトラブルに巻き込まれた。
それでもおれたちは大きな子供のようなジャレの事を憎めなかった。
Balkans Travel Chapter 17. "Beograd " 28th July -
Beograd
Many bridges were passed through above us. And the width of the river has got big.
the forests the river has turned to the buildings.
I could smell of big city.
Beograd - the biggest city in Balkans - was coming closer.
So far, it was almost only our boat on the river. But when I look up those big buildings from the river, I noticed how small our boat is.
But It was also proud.
We landed on.
The big fortress in Beograd was made by several materials.
The Roman Empire, the Byzantine Empire, the Ottoman, they used same fortress.
So you can see those traces in the fortress.
Zare
We met Bekim's friend Zare.
He is an actor and working at the museum in Beograd.
He arranged some room for us.
Since I started the boat travel, every night I slept on deck of the boat.
So I was exciting to get the place to sleep.
The room was so comfortable. We took beer and watched DVD.
The owner of this room was in vacation for holidays.
Zare didn't ask to the owner about us .
So I was uncomfortable to stay somebody's room without permission.
Later when We were going back to Bosnia, Zare arranged another room for us again.
This time was some family's room. I could see they have small kids.
"You asked them about us, aren't you?"
"No" Zare answered same like before.
"Again!"
"Don't worry. They are in vacation now. It will never come out"
He answered in a confident voice.
That night we had dinner at some restaurant.
Suddenly Zare's mobile phone rang.
"Sit! Their children got a sick. So they are coming back soon!"
When the owner came back, immeediately he got mad.
Because there were full of our staff in the room.
I can't stop about it...
Zare was always trying to help us by his way.
But it always made problem.
But we still like him.
Comments