再びボスニアへ!
最近は先輩のバンド、JUN SKY WALKER(S)のツアーに呼んでいただいてドキュメンタリーの撮影をさせてもらってます。
やっと念願の国内の旅をできる!
バタバタ飛び回ってるけど、メンバー手作りのバスで楽しく旅しています。
ってな訳で、最近はインターネットが使えるホテル暮らしが続いてるので、久々にブログを書くぜぃ。
まだまだ続くよバルカン半島の話。
去年の夏、『レインボーギャザリング』っていう祭りに参加するために8ヶ月ぶりにクロアチアのHvar島を離れ、ボスニアへ向かいました。
久々のボスニア!国境を越えただけで懐かしい匂いがした。
『レインボーギャザリング』は、簡単に言うと大自然の中で約一ヶ月間電気を一切使わずに過ごす集い。
みんなで食事や労働をシェアし、Love & Peace の理想郷を実現しようとする試み。
おれは7年前にカナダでこの『レインボー』に参加した事があって、その時感じた不思議なピースフルな空気をもう一度体験したいとずっと思っていたのです。
7年前のレインボーギャザリングの絵。
『レインボー』はボスニアの国境近くの山の中で行われていました。
会場まで、息を飲むほど美しい高原と山の風景が続く。
世界のどこにも似ていないボスニアの風景。
でも例によって、この辺りにも、地面の下には無数の地雷が眠っているという。
つい12年前まで、ここは戦闘の前線地帯だったのだ。
ボスニアの『レインボー』らしいぜ。くわばらくわばら。
周りには無残に破壊された家が点在していた。
車を降りて山深く入っていくと、だんだんジェンベの音が聞こえてきた。何だか祭りの気配がしてきたぜ!
薄暗い夕闇の中、「メインサークル」のたき火を囲んで踊っている連中が浮かび上がってきた。
素っ裸の連中もいる。
まるで縄文人やインディアンの集落の中にタイムスリップしたような気分。
カナダの『レインボーギャザリング』の時には「イージーライダー」や「ウッドストック」のような60年代の世界にタイムスリップしたような気分になったけど、やっぱり『レインボー』には日常にはない不思議な空気を感じる。
その頃はフルムーンの時期で、大勢の人が集まっていた。
そこらじゅうからジャムセッションの音楽が聴こえてくる。
そのジャムセッションの質の高いこと!様々な楽器の音が聴こえてくる。
素晴らしいミュージシャンたちが大勢潜んでいるんだ。
おれもギターを持って来たし、これから一体どんな生活が始まるのだろう!
農夫トルチコ
「母なる大地に感謝しよう!」
みたいな事が『レインボーギャザリング』のスローガンのひとつなんだけど、その前におれは、この場所を提供してくれた一人の農夫に感謝したかった
今回のレインボーが行われている広大な土地は、すぐ近くに住む農夫・トルチコの私有地だった。
夕方になるとボロボロの服を着て牧草を一杯に積んだ馬車を引っ張っていくその姿は、ボスニアの風景の中に完全に溶け込んでいて、『スピリチュアル』な事を語る連中より、よっぽど美しい人に見えた。
※レインボーギャザリングには『スピリチュアル』について語る人たちがたくさんいて、ちょいと辟易してたんだ〜
ある日、農夫を訪ねて作業の手伝いを申し出た。
赤ら顔のトルチコは喜んでくれ、牧草を馬車にのせる仕事を与えた。
機械は一切使わず、完全に人と馬だけの作業。
「多分、この光景は中世の頃から変わっていないんだろうな」
おれにとってバルカンの魅力の一つはまだ昔の匂いが色濃く残ってる事だけど、トルチコの働く姿なんて、中世のバルカンの絵で見た、農家の風景そのままだった。
立ち止まって一息しながら、その絵の中のような世界に自分がいる事を不思議に思った。
遠くには『レインボー』のメインサークルが見える。
夕方までたっぷり働いて、心地よく疲れた。
トルチコの奥さんは焼きたてのパンと卵焼き、そしてうまい自家製ラキア(アルコール50度ほどのバルカンのブランデー)をご馳走してくれた。
『レインボーギャザリング』ではアルコールは禁止されてるけど、そんなの関係ねぇ!労働のあとの一杯はやっぱり旨いぜ!
ボスニアの『レインボーギャザリング』
広大な山の中、数百人の仲間たちが至る所にテントを張って暮らしていて、不思議なゆるい世界が生まれる。素っ裸な男や女たちがうろうろしてる。なんだか『はじめ人間ギャートルズ』の世界。
おれも森の中の居心地のいい場所にテントを張って、棲み家を構えた。
ジャムセッションに出かけるとき以外はほとんど自分のテントにいました。
毎朝薪を集めてテントの前でたき火をしてたから、しだいにここに人が集まるようになったのです。
ひと月近く森の中でごきげんな連中とキャンプ生活。こりゃたまらんぜ!
シットピット
『レインボーギャザリング』では、会場の自然をなるべく汚さないように心がけている。
なので用を足す時は、森の中、数カ所に作った「シットピット」というオーガニック・トイレを使います。
「誰かシットピットを掘るのを手伝ってくれないか!」
ある日、スロベニアの若者が助けを求めてきた。今まで使ってたシットピットはもう一杯になっていたのです。
「オッケー。手伝うぜ!」
おれはシットピットを掘る作業を手伝う事にしました。
※『レインボーギャザリング』にはリーダー的な人がいないので、こういう事は自主的にやるのです。
おれたちは森に入り、交代しながら二人で穴を掘っていった。
「こんなもんでいいんじゃない?」
30分ほどで、ひざほどの深さで、長さ4メートルほどのシットピットが掘れた。すると、
「どれどれ、おれたちが代わろう」
と、スコップを貸してくれたオーストリア人・ハンスと仲間たちが様子を見に来た。
ハンスはこのスコップで過去8回ほどレインボーギャザリングでシットピットを掘ってきたという。シットピット掘りのベテランだ。
ハンスの友人の一人がギターを持っていたので、それを借りて、おれはハンスの掘るスコップの音に合わせて音を出し始めた。
すると、その場にいた5人ほどの仲間も色んなもので音を出し始め、たちまちジャムセッションが始まった!
たまに音をブレイク(止める)と「ザック、ザック」とスコップの音。
なんだか可笑しくて、爆笑しながらセッションは続く。
ジャムセッションが続く中、穴を掘る人はどんどん入れ替わっていく。
ハンスはかっこよく素敵な人柄、そして素敵なギター弾き。
彼もおれの音楽を気に入ってくれた。
そうこうしているうちに気づけば、シットピットは腰ほどの深さで、長さ6メートルくらいになっていた!
「穴掘り」というきつい仕事が面白い遊びに変わっていた。
なんて創造的な出来事!
「やらなければならない事」を「楽しい時間」に変えていくセンス。
『レインボー』ではこんなマジカルな出来事がそこらじゅうで起こっているのです。
Bosnia Again
The end of July. After I made the trailer of film, immediately I went to Bosnia.
Because I heard that " Rainbow Gathering " was going on in Bosnia from July to August for a month.
So I wanted join them.
Simply, " Rainbow " is a gathering in a wild nature without any electric products.
Sharing foods and works and love. It seems an attempt to realize a utopia of " Love and Peace ".
Actually once I joined " Rainbow " a little bit in Canada 7 years ago. Since then, I wanted to join " Rainbow " again to feel the strange vibes.
After the border, immediately I felt smell of Bosnia. I missed it !
" Rainbow " was not so far from the border.
On the way to "Rainbow", there are amazing beautiful landscape of mountains and grass fields.
Nowhere else but in Bosnia.
But there are bunch of mines under the ground as usual in Bosnia.
Just 12 years ago, there were front line during the war.
Sounds like Bosnian Rainbow !
Climbing up to the mountain. The sounds of Drums came up slightly.
Almost it was dark. People were dancing by the fire in the main circle.
Some of them were naked.
I felt I was in somewhere like ancient native American's village.
Many good quality jam sessions all around.
I brought a guitar! I was excited what was going on.