今まで色んな音楽遍歴をしてきたけど「最も影響を受けたミュージシャン」と言えば、それは間違いなくJun Sky Walker(S)だ。
2月の後半から2ヶ月以上に渡り、そのJun Sky Walker(S)のメンバーに誘ってもらい、ツアードキュメンタリーの撮影をしてきました。
少数精鋭のオールスタッフ。2ヶ月の間に家族のようになっていった。
ツアーは先日終わり、最後にドラムの小林くんとジュンスカ号(小林くん手作りのツアーバス)を山の中の駐車場まで運びました。
小林くんと別れたあと、やっと「旅は終わったんだ」と実感した。
雪の舞う北海道から南国の鹿児島まで全国7000Km、小林くんは全て一人で運転し、おれはずっと助手席に座って日本中の風景を小林くんと一緒に見つめてきたのだ。(たまにおれは居眠りしてたけど‥)
メンバーと出会った25年前、まさかこうして彼らと一緒に旅する日がくるなんて思いもしなかった。
1983
25年前、おれは地元広島の小学校を卒業したあと東京にある学校に入って寮生活を送っていた。
森に囲まれたその学校に憧れて、夢と希望を抱いて家を飛び出したんだけど、そこでおれたち新入生を待ち受けていたのは「悪の巣窟」の寮生活だった。
その寮には中学生・高校生が一緒に暮らしていて大人は一切いない。高校3年生が全てを仕切っているのだ。
当時12才のおれにとって17,8の先輩たちは充分「大人」。
寮では毎晩その先輩たちに呼び出されいじめられ、怯える日々が続いたのです。
※こう書くとガラの悪い学校みたいだけど、実際にはイジメは生活の一部分で、そのイジメさえも含めて1983年はおれにとって映画にしたいほど輝かしい一年だったのです。
急きょリハーサルでベースを弾いた。
ボーカルの宮田くんに「今日が一番役に立ったんじゃねーの?」と言われ、大爆笑!
入学して1ヶ月ほど経ったある日、寮の食堂で「誕生日会」というイベントが行われた。その月の誕生日の人たちをまとめて祝うってわけだ。
ひとしきり誕生日の人たちを祝ったあと、急に食堂が暗くなった。
そしていきなり鳴り響く爆音。
脳天を貫く衝撃。
耳をふさぎながら滝を浴びるように体験した初めてのロックコンサート。
それが当時高校3年生だったJun Sky Walker(当時は(S)はなかった)との出会いだった。
当時彼らは寮の食堂でライブをやっていたのです。
ギターの純太くんは食堂中を駆け回り、おれのすぐ後ろのテーブルに乗って激しくソロを弾く。その姿を見上げた時、もはや人間ではなくまるで大魔神のように見えた。
そしてそれは今回のツアーでも同じだった。
ステージの下から純太くんのギターソロを見上げて撮影していると、25年前の誕生日会の時に感じたものと同じものを感じた。
他のメンバーたちも寮長などしていて恐くて仕方がない先輩たちだったけど、その日からおれは「誕生日会」を毎回楽しみに待ちわびるようになった。
恐くて憧れの先輩。それがジュンスカだった。
彼らが卒業してしまったあと、なんだか気が抜けてしまったのをよく覚えている。
それから一年ほど経って、ジュンスカがライブハウスで活動を再開したので、おれは飛び上がって喜んだ。
誕生日会を待ちわびてた時のようにその時期のジュンスカのライブは全部逃さず観に行った。
特に福生(東京の八王子の近く)の「UZU」というライブハウスでのライブは毎月楽しみだった。
UZUでライブがある日は毎回学校を抜け出して、小林くんにジュンスカ号(当時は白のキャラバンだったかな?)に乗せてもらい、メンバーと一緒に福生まで行くことが出来たのだ!
その頃、お客はおれを含めても5人程度だったこともよくあったけどジュンスカの音楽はいつもサイコーだった。
その後、多くの人が知るように彼らは日本の音楽シーンを駆け抜けていった。
ジュンスカが歩いた後には色んなものが育っていった。事務所やレコード会社(もちろんそれらによってジュンスカも育ったんだけど)、そしてデビュー直前にメンバーになった兄もプロデューサーとして活動している。
「革命を起こす人と、その後それを維持していく人たちは別の人種だ」
ってだれかが書いてたけど、ジュンスカはまさに前者だったと思う。
風
デビュー20周年ということで行われた今年限定の再結成ツアー。
※ジュンスカは97年に一度解散しました。
観に来てくれたお客さんたちの顔はどこの街でもキラッキラに輝いていました。
みんなジュンスカを待ちわびていたのだ。
お客さんたちの顔を見ていると、毎回のステージが一期一会なんだといつも感じさせられた。
ジュンスカもそれに答えるように毎回全力でステージに立った。ジュンスカのライブはそれぞれのお客さんの日常の中に風を吹かせたと思うけど、お客さんたちもおれたちに風を吹かせてくれた。
ひとつの街に滞在するのは長くても2日。おれの旅の感覚からすれば短すぎると思ってたけど、その短時間の間で大勢の人たちと濃厚な時間を過ごすのだから、旅ってやっぱり長さじゃなくて深さなんだなと思った。
破天荒でぶっ飛んだ寮生活から生まれたJun Sky Walker(S)。
今回の旅で感じたのは、ジュンスカのメンバーはあの破天荒な寮生活のまま何も変わっていないってこと。
だれもが羨むような裸の人間関係。そこで起きた化学反応がジュンスカで、日本中がそれに巻き込まれていったのだと思った。
ツアー中、滞在先の大きなホテルがまるで寮に思えてくるようなヤンチャをよくやった。
それはここには書けないような事ばかりなんだけど、全てが美しい瞬間だった。
風のように走り抜けた濃い〜2ヶ月でした。
最後にもう一枚、おれとジュンスカ!
自己マンです‥うぇ〜い!
Great Rockn'Roll Time with J(S)W.
I've been listening many sort of music.
But If you ask me " Who is the best? ". I will tell you the name of japanese band called " Jun Sky Walker(S) "
They influenced me a lot.
From end of February to beginning of May, I've shot their tour as a documentary film.
Few days ago, the tour was over.
We've traveled all over Japan by bus from north to south, more than 7000km.
We arranged our bus and all the way droved by our drummer.
Life is strange.
I met them 25 years ago. At that time, I was 12. they were about 18 years old.
I never imagined someday I travel with them.
1983
25 years ago, after I graduated a primary school, I moved to Tokyo by myself.