あっ という間に2010年が終わりますね〜
10月〜11月、世界一周の旅に出ていました。ブラジル、マダガスカルを撮影する仕事です。
帰国するなり編集三昧の日々が続いていたので随分前の事になったけど、旅の話しを書きます。
まずは アメリカ。
トランジットでワシントンDCに滞在したので、スミソニアン博物館に立ち寄りました。
ライト兄弟が作った初期の飛行機からアポロまで、色んな航空機が展示してあり、広島に原爆を投下した戦闘機も展示してあったので、広島出身の音声マン、トンちゃんとしっかり中指を突き立てておきました。
分かりづらいけど、、後ろにあるのがB-29エノラ・ゲイです →
続いてアメリカからブラジルまでの飛行機の中。
隣の席に座っていたサンフランシスコのおっちゃんと話しが盛り上がり、二人でハイボールを注文しまくりました。
おっちゃんは経営コンサルタントの仕事で、今まで世界80カ国を訪れてきたそうだ。
「お前は日本に誇りを持っているか」
とおっちゃん。
「当たり前だろ」
その途端、おっちゃんの態度が変わった。
「いいか、君たちは世界でも稀な独自で美しい文化を持っている。なのに戦後どうしてしまったんだ? 戦争が終わるまでの日本は素晴らしかった」
と、おっちゃんは身を乗り出してきた。
日本の中にさえ『戦中・戦前の日本は悪い国だった』と思い込んでる人たちが多いのに、敵国アメリカ人のおっちゃんの方が よほどマトモな世界史が見えているぜ。
「戦後の日本はどうしてしまったんだ?」の問いには、「自分たちの国の歴史を知らない事が問題なんだ」と答えておきました。
リオ・デ・ジャネイロ/ブラジル
ブラジルは初めてだったけど、今回が“古き良きリオ”を見るラストチャンスなんだろうな、と思いました。
ワールドカップ&オリンピックの開催が控えているため、リオはこれから一斉に街のスキマを駆除して清潔な街になっていくはずだから。
ファベーラ
かつて奴隷が逃げ出して形成されたスラム街、ファベーラ。
カオス、混沌。
無数に走るバイク。誰もヘルメットをしていない。
ボーイフレンドの後ろに乗っている女の子はマシンガンを抱えている。
警察もいない、治外法権。
自分で自分の身を守るしかないのだ。
突然マシンガンを持った男に止められる。
「ここで撮影したデータを消せ」
帰国して数日後、“ファベーラ一掃”のニュースを読みました。
警察2000人以上を投入して、ファベーラにガサ入れを行ったそうです。
セラード
ブラジルでの仕事の目的地は、中央部の大草原「セラード」。
かつてブラジル北西部全体に広がっていたセラードも、開発により今ではわずかに残るのみ。
そのわずかに残る“最後の楽園”、人間の世界とは無関係な自然の中に滞在し、撮影をしました。
マダガスカル
マダガスカルでも、キツネザルやバオバブなど、貴重な自然の中に滞在する事ができました。
この仕事に参加させて頂いて、ホントに感謝です。
マダガスカルはかなり治安は安全で、善良な人たちが多かったです。
でも、日本に戻って数日後にマダガスカルでクーデターが起こったというニュースを見ました。
どこの世界も慌ただしいねぇ〜
ヨハネスブルグ
撮影終了後、凶悪犯罪都市で有名な南アフリカ、ヨハネスブルグにも立ち寄りました。
ショッピングモールにある和食屋で夕食を食べたあと、店のおばさんが「タクシーを店の前まで呼びなさい」と言った。
「道路まで歩くのは危険だ」という。ただ駐車場を通過するだけなのに‥
おばさんの自宅には3重の防犯放置を付けているという。
これも帰国後のニュースで、ヨハネスブルグでは男の3人に1人がレイプ経験があるという。
ファベーラでマシンガンを持つ少女、自宅に3重の防犯装置を付けるおばさん。
今回の旅先では、“平和と安全”は自分で守るもの、勝ち取るものでした。
バンコク
最後にバンコクに寄りました。
バンコクでは、昔「ビューティフルボクサー」という映画で一緒に仕事した、家族のようなスタッフたちと再会しました。
ホントに嬉しい再会。
バンコクでも、国王を排除しようとする勢力が台頭してきて、もめていた。
今回の旅は、この星に残る自然“最後の楽園”と、慌ただしく動く人の世界を両方を覗く旅でした。
【都会】は人の都合のいいように自然を排除した世界。でも結局人も自然の中に生きているんだって事を思い出しました。
今回、撮影した映像は1月1日、23:10から放送されます。
こちらのサイトから情報が見れますので、興味のある方は観てみてくださーい。
それではみなさん、よいお年を!