「今年は、例年に増して数多くの作品が応募されましたー」
5月のある日、スロベニアの映画祭からこういう出だしのメールを受け取ったので、「落選の通知か・・・」と思って読み進めると「ーしかし、あなたの『バルカンヘ』を是非、本映画祭で上映したいと思っています」
と続いたので、一瞬目を疑ったけど、こうしてスロベニアの『Festival of Migrant film(移民映画祭)』への参加が決まりました。
マリナ
この映画祭へ作品を応募した時の事をよく覚えている。
DVDを送って応募した一週間後、マリナというスタッフの女性からメールが届いた。
「たった今、あなたの映画を観終えました。特にあなたのおばあさんのシーン、ホントに心深くに届きました。。。」など、ひとしきり『バルカンヘ』について熱く語ったあと、
「でもごめんなさい、このメールは審査の結果とは関係ないの。ただ、どうしても私の感想を伝えたかっただけなんです」と続いた。
審査に関係なくても気持ちを伝えてくれた事が嬉しかったので、お礼の返信した。その翌日。。。
「あなたの子犬のストーリーはホントに悲しかったーーー」
彼女はまたもや『バルカンヘ』について感想送ってきた。そして、
「本当にごめんなさい。私は監督に毎日メールを送りつける変な女じゃなくて、ただどうしても気持ちを伝えたかっただけなんです。。。」
このマリナの行動が可笑しかったので、この映画祭の事はよく覚えていました。
そして数ヶ月後、今回の上映決定の通知を頂いた。
何はともあれ、再びバルカンヘ帰ってくる事ができて嬉しい!
一年ぶりのスロベニア。
例のスタッフ、マリナが出迎えてくれた。出会ったのは初めてだったけど、おれたちは既に打ち解けた仲良しの友達みたいだった。
「今年は本当に応募作品が多くて、選考は本当に苦労したのよ。でもあなたの作品には悩む必要がなかったわ」とマリナ。
スタッフ全員一致で『バルカンヘ』はすぐに上映が決まったそうだ。
まじかよ!? と思ったけど、嬉しい話しだ。。。
滞在している宿はリュブリャナで一番古いスクワット。元々軍の施設だった建物にアーティストたちが移り住んで誕生した場所。色んなアーティストたちが色んな国から集まっていて居心地いい場所!
「移民」をテーマにした今回の映画祭。
ドキュメンタリーからフィクションまで様々な表現をしている作品が上映され、世界中から招待されている監督たちとの交流も有意義な時間でした。
監督たちによるパネルディスカッションでは「“映画の制作”と“社会の変革”の、どちらより重要ですか?」
など、社会問題を扱った映画祭らしい質問が司会者から続いた。
「旅する事の方がより大切さ」
おれは終止頓珍漢な返答をしていたけど、スタッフやお客さんにはウケてました。
そして『バルカンヘ』の上映。
会場は気持ちの良い野外の庭。(スタッフいわく、ここは映画祭の中で一番いい会場だそうです)
しかも満席!
「すみません、おれの映画、最初から移民問題に関心があった訳ではなくて、実は全て冗談から始まったんです...」
上映前のスピーチでは、おれと主人公のボスニア難民・ベキムがインターネットを通して偶然出会った話しをして、しっかり笑いを取りました。
上映中はみんな食いつくように観てくれ、エンドロールが流れ始めると同時に大きな拍手が沸き起こった。今回色んな作品を観てきたけど、こんな事は初めてだったので、みんな本当に喜んでくれたのが伝わって嬉しかったです。
素晴らしいスタッフたちのおかげで、今回はホントに心ある暖かい映画祭になりました。
来てくれた方々、スタッフのみんな、ありがとう〜!
再会
『バルカンヘ』主人公ベキムの娘、イスクラと一年ぶりに再会し、二人で夜の街をデート。(ベキムは現在ノルウェーにいます)
0才の時から「モクおじさんだよ」とかわいがってきたので、すっかり懐いてくれて、本当に可愛い。
『バルカンヘ』もう一人の主人公、ノルウェー人のペーターは日本人女性と結婚し、今トウキョウにいるし、おれはバルカンだし、ベキムはノルウェーにいる。。。
“バルカンヘ” の旅がどんなストーリーにつながっていくのか、その流れを捉まえていきたい。
Festival migrantskega filma / Festival of Migrant Film
I've been joing to the film festival in Slovenia. I'm so glad to come back to the Balkan again.
And thank you so much all the staffs from the festival to choose my film and all the directors who I met and audiences!
The audiences gave big applause for my film. I was very happy to experience this festival!
After the festival, I'm gonna do some film project with Bekim again and have to edit some works from Japan...