未踏の大地、南極の旅から戻ってきました。
自然番組のための、3週間の怒濤の撮影旅行。
日本から34時間かけて世界最南端の町、チリのプンタアレナスに着いて、そこからさらに飛行機に乗って南極に入りました。
そこから先は、我らが“ハンス・ハンソン号”!
このゴキゲンな船で、南極半島の奥地を目指しました。
南下していくと、次第に現れてくる氷山、氷河、ペンギンたち。
とてつもなく大きな氷の塊がそこらじゅうに浮かんでいるのは、ほんとにシュールな世界。テレビで見た事はあったけど、自分の身をその場に置いてみると、それまで見てきた映像や写真なんかぶっ飛んでしまう。
船の周りに現れたザトウクジラにも同じ事を感じました。
「なんでこんなに巨大な生命が存在するんだ!?」
今まで映像や写真で見た事があるにも関わらず、目の前に現れたその存在にぶっ飛ばされてしまいます。
クジラ、ペンギンを始め、南極に生きる生き物たちは人間を恐れていません。
人類が進出できなかった唯一の地なので、ここの生き物たちは人を恐れるという情報がDNAの中にないそうです。
野生動物と隣人のような感覚でそばにいれるのは、まるで他の星にきたかのような、不思議な感覚になります。
晴れた日の"抜け具合"はすごい。撮影を忘れて静かに空を見ていると思考が全て停止し、心身が静寂に包まれます。
氷山の上でも撮影。
ゴムボートに乗って様々な場所へ行きました。
生き物がいつ現れるのか分からないので、急に撮影に出かけることもあり、慌てん坊のおれは、気づけばサンダルのまま現場に飛び出し、スタッフにおんぶされて戻る一幕も。。。。
今回のチームはユニークで愉快な人たちが集まっていたので、現場でも船の中でも、いつも笑い声に満ちていました。
南極の夕日。夜10時過ぎ。
『もう二度と、ここには戻ることはないかも知れない」と思うと、切ない気持ちになりました。
帰りの飛行機の中では『あしたのジョー』のごとく燃え尽きていた。。。
旅のあいだ、毎日撮影した映像をパソコンに取り込んで編集し、回線の遅い南極からアップロードしていたので、ほんとにバタバタしていたのです。
プンタアレナスに戻ってからも部屋にこもって編集していたら、プレゼンターを努めていた大沢さんが見かねて「もくちゃんお茶に出かけよう」と、町に連れ出してくれました。
90年代半ば、おれがまだ放浪の旅に出かける前、大沢さんが『深夜特急』という旅人のドキュメンタリードラマに出演されていて、「羨ましいなぁ」と憧れていたのだけど、その大沢さんと二人で旅先の最果ての地を歩き、地元のカフェで一緒に旅を感じているのは不思議な気分でした。
南極からアップロードした映像はこちらのサイトで見る事ができます!
これからいよいよ怒濤の編集が始まります!
がんばるぞー!