山にこもって作品作りに勤しんでいます。
先日同じく都会の人の喧噪を逃れ、自然を求めて山にむかう人がいました。
昨年一年間大変お世話になったJun Sky Walker(S)のボーカリスト宮田くん。
曲を書いたり創作するために近くの山にキャンプするというので、独りになりたかっただろうに、さっそく邪魔しに行きました。
キャンプ場でたき火を囲んで、めしを作りながらビールや日本酒を飲む。
「これじゃ東京の生活とかわらねーなぁ」と宮田くん苦笑い。
ギターやパーカッションでセッションしていると、いつの間にか他にキャンプしてた人たちが十数人も集まってきて、気付けば楽しい宴になっていました。結局この人はどこにいても人が集まってくるのだ。
おれたちはその場で曲をつくり、そこにいたみんなが一人ずつ思うことを自由に歌っていった。即興で『今』を歌う楽しさ。ほっこりとした月の下で楽しい時間が流れました。
毎晩曲を作ってたので、前の晩と同じ詩を歌う者がいると「それはもう昨日のことだ!」と、 『今ここ』にみんな気持ちを向けました。注意してみれば毎日は二度と戻らない特別なもの。同じ日なんてあり得ない。つじつまなんか合ってなくて全然おっけー。それに気付けただけで刺激になりました。
最後の夜は地元の若者ヒロ君が仲間を集めて橋の下の河原でバーベキューを開いてくれました。ある若者は子供のころ、魚を手づかみで捕っていたというので、おれたちも夜の川に入っていき、魚の手づかみに挑戦しました。結局一匹も捕れなかったけど、生まれて初めての経験に二人ともテンションが上がった!
三泊して宮田くんは東京に戻っていきました。結局山では予定していたような創作活動はできなかったと思います。でも今後の宮田くんの作品から、もし山の匂いや川の流れを感じることがあれば、ひょっとしたら今回過ごした時間も無駄じゃなかったのかも知れません‥と願っています。
地元の若者たちも宮田くんの突然の来訪に、日常とは違う新鮮な時間を過ごせて嬉しそうでした。
おれもすっかり頭を空っぽにできたので、新鮮な気持ちで改めて作品作りに向かえています。
「風が吹けば、くすぶってる火も燃え盛るんだなぁ」
深夜、たき火の火を見ながら言った宮田くんの言葉より。