バルカン半島の旅 第九話 サラエボのトランスパーティー
ベキムとおれ
サラエボでは最初、出会ったばかりの女性シンガーヤラナのアパートに滞在させてもらい、その後はネルミン・プシュコというロックミュージシャンのところに滞在させてもいました。
ネルミンは今回のサラエボでのおれたちのライブを聴いて、気に入ってくれたという。
モスタルに続きここでも音楽が滞在場所をもたらしてくれたのです。
おれたちは泊まる場所など何も決めずに旅をしていたのに、ほとんどの町でごきげんな連中に出会う事ができ、泊まる場所にも困らなかった。
その大きな理由はもちろん音楽の力もあるけど、おれはベキムの魅力が大きいと思う。
ベキムは故郷のバルカンに戻ってきて水を得た魚のように輝いていました。
いつも何やらボスニア語で情熱的に話をするベキムは、どこの町へ行ってもみんなから好かれていたのです。
逆にベキムはおれに
「ここ数年、何回かバルカンを旅したけど、今回ほどディープな旅は初めてだ。
それはお前の力が大きいんだ。お前が先陣をきってドアを開いてくれるから、
おれは色んな連中と出会う事ができるんだ」
と言いいます。
ベキムいわく、おれはどこへ行ってもまず 『シュタ・イマ・ヤラネ・バ!』(ボスニアの挨拶のスラング。英語では"What's up men?"と同じ意味)と誰にでも声をかけるから、地元の人たちも心を開いてくれるらしい。
でもおれ一人じゃ今回のような旅にはならなかっただろうし、ベキム一人でもそうはならなかっただろう。
ってな訳で、おれとベキムは知らずとなかなかいい旅のコンビだったみたいだ。
そりゃ日本からわざわざ訪ねてみたいと思わせた奴なのだから、そうじゃなきゃな!
ネルミンのところにはドラムやギターを存分に演奏できるスタジオがあったので、おれにはまるで天国だった!
日中はレコーディング中のネルミンを訪ね、インタビューをしたり、サラエボの町を撮影して過ごしました。
ペーターは相変わらず3日目くらいから「早く出発しよう」とイライラし始めていたので、5日ほど滞在したあと、おれたちはサラエボを出発することにした。
ブバの修理工
ところがサラエボを出発して15分後、おれたちの老いぼれワーゲン”ブバ”(30才)は急に止まってしまいました。
近くに元ワーゲンの工場で働いていたおじさんがいるというので、彼のところで修理をお願いした。
修理が終わると、60代半ばくらいのその職人のおじさんにもインタビュー。
この地域には戦争の事も含めて複雑な問題がたくさんあります。
ベキムもそれらの問題に翻弄されてきたので、今回の「ベキムのルーツ探し」というドキュメンタリーのテーマにとってそれらの問題は避けては通れない。
で、「色々な世代の人の話を聞いてみたい」という欲求がおれの中に芽生えていたのです。
おじさんはまず、ブバ(ワーゲンのビートル)がいかに素晴らしい車かという事を延々話した後にやっと本題に入ってくれた。
多くの他の人と同様、おじさんもユーゴスラビア時代がいかに良かったかという話をした。
そして90年代の紛争の話になると語調が鈍くなり、最後に
「本当の事は誰も喋りはしないさ」
と言った。
車の故障はただのガス欠だった。
サラエボのトランスパーティー
車を修理している最中に、サラエボのアナが
「今夜のトランスパーティーに来なきゃだめよ!」
と電話してきた。
その夜、サラエボの山の中でトランスパーティーがあるというのだ。
ただのガス欠にも関わらず、おれたちはブバの故障を「まだサラエボを出発する時期ではない」というサインだと受け止め、再びサラエボに戻る事にした。
おれは今回の出発も慌ただしいと感じてたので、「でかしたブバ!」とブバに感謝した。
おれにはこれが初めてのトランスパーティーだった。
パーティーは牧場のような場所で行われていて、100人くらい集まってたのかな?
会場の周りは地雷地帯で、うっかり森に入ると地雷を踏んでさようならって事になりかねない。サラエボのトランスパーティーらしいぜ!
おれは音楽が鳴っているところから離れたたき火のある場所にずっといたのでパーティーをちゃんと体験したとは言えないと思うけど、陽気なボスニア人たちに囲まれて愉快な夜だった。
ベキムはパーティーで出会った連中とずっと色々話をしていて、あとで作家らしく、
「おれは今回『言葉』を通して自分の国ボスニアを深く体験した」と言っていた。
新しいスラングや表現を彼らとの会話から学んで、ベキムもそれらの言葉を使って話をする事でボスニアと深く出会った気がするというのだ。
その過程を是非映像で捉えておきたかったけど、日本人のおれには難しい問題だった。
「お前には一番いいシーンを撮れないさ。おれも一番いいシーンは書けないんだ」
とベキム。
そんなこんなでブバのおかげでトランスパーティーを体験したあと、おれたちは北上してブルチコという小さな町に向かいました。
ブルチコはベキムの生まれ故郷。「ベキムのルーツ探し」というテーマにとって重要な町です。
ここでは、ベキムを育てた祖父母や幼なじみを訪ねる予定になっています。
そして船の旅もブルチコを流れるサバ川から始まります!
Bekim and Me
The Bosnian singer Yarana, she let us stay at her place frist 2 days in Sarajevo.
Then Bosnian rock musician Nermin Pushkar let us stay at his place.
Nermin had listend our concert in Sarajevo. That's why he let us stay.
Same as Mostar, the music brought the place to stay again somehow.
We didn't have any plan for accommodation. But everywhere we could meet cool people and never had ploblem about accommodation.
It was not only because of our music, but also because of Bekim i think.
He was shining in Balkans. He always talked intensely with local people and attructed all of them.
But he said to me.
"I' ve traveled this area several times in this few years. But this time is the best!
I've never traveled deep like this. Maybe it's because of you. Always first you open the door, so i can go in"
But if I was traveling by myself, things would never happen like this.
And if Bekim were traveling alone, also things wouldn't going on like this.
So maybe it was good combination.
Yeah, he attructed me from Norway to Japan. He should be the guy like him!
Nermin has studio in his place. So we could play any instroments as much as we like.
For me, it was like a paradise.
During the day, I shot few interviews to the people who we met and landsacpes of the town.
On the 3rd day, Petter started to rush to move next town as usual. So we left Sarajevo on the 5th day.
a BUBA mechanic
After we left Sarajevo, 15 minutes later our BUBA stoped suddenly.
So we brought it to one old machanic's house.
He used to work in the Volks Wagen's factory. So he could fix our BUBA.
After he fixed our BUBA, i made interview to him.
This area has lot of complicated problems. I can't refuse those ploblems for our documentary film about "Serching Bekim's identity"
Because Bekim has been influenced from those ploblems in his life.
So I had desire to make interviews for several generations.
First 10 minutes, he kept on talking about how BUBA is nice.
Then he strated to talk about those ploblems.
He said that he prefer Yugoslavia piriod same as many other people.
About the war in 90's, he answered few things. and finaly he said
"Nobody tell you truth"
That's what the truth and reality.
The ploblem of our BUBA was just lack of the gas.
Trance party in Sarajevo
During fixing BUBA, Ana called us and said
"You must come to the trance party tonight"
In that night, there was one trance party on the mountain in Sarajevo.
Braking of BUBA was a sign for this party.
We took it like this even though it was just only lack of gas.
"Good job, BUBA!"
I wanted to stay more in Sarajevo.
At night, we went to the mountain.
The party was in the farm in this mountain. Maybe there were around 100 people i guess.
The forest surround us, there are the mine area.
Don't go into the forest even if you want to take piss. You may step on the mine and explosion! Woo This is what the Bosnian trance party!
It was first time to join trance party like this.
But I was always by fire. So I didn't dance so much..
Bekim were talking with local people intensely all the night.
After while he said,
" I could feel Bosnia more close by their language"
Their slangs inspired him. Yeah he is a writer.
If I could shoot this prosses, it would be good documentary.
But it's difficult for japanese like me.
"You can't shoot best moment" Bekim said.
"I can't write best moment, too"
After the party, we haeded to Brcko where Bekim was born.
どうやらブバは黙さんの味方のようですね!
船の旅・・・ブバはどうなるのですか・・
Posted by: | Nov 22, 2006 at 19:02
ブバがどうなるか・・
もうすぐ船の旅になるので楽しみに待ってて下さい!
Posted by: moku | Nov 22, 2006 at 21:52
わぁ~おもしろくなってきた!
楽しみにしてます!
Posted by: tennen | Nov 24, 2006 at 23:12
もくさん!元気そうだね。
日本もすげー寒くなってきたけどそっちはどうだい?
映像編集もできるようになったみたいだね。
いい旅続けてくれい。
Posted by: Arai | Nov 25, 2006 at 18:26
tentenさん
これからネットのない所に移るのでスローペースになるけど楽しみにしてて下さい!
あらいっち
ご無沙汰!もちろん寒さは負けないぜ!とっくに雪降ってるしね。
神2のみんなは元気?
よろしく伝えてね。
Posted by: moku | Nov 25, 2006 at 19:12
色々検索して、たどり着きました。私の最近の気になるモノですが、
1・24発売のコンピCDが良いとの事です!!
ジャケットもキラキラ光って、ラグジュアリー&キュートです!
トランスにダイヤモンドのきらめき『トランス・スーパー★シャイニー』
是非、チェックしてみて下さいね!http://shiny.jp/
Posted by: ria | Jan 11, 2007 at 02:47
Good job,Moku!!where r U at now?jane mata aimasho!Lena
Posted by: Lena | Jun 09, 2008 at 01:36
Lena!
Thank u for your comment.
At this moment, I'm in Daikanyama for editing some documentary.
So, we c u soon!
ciao!
Posted by: moku | Jun 09, 2008 at 01:40