ジミとカルロス
イスタンブールの街なかに滞在していた時はいつも同じゲストハウスを使っていました。
ここで働いてる兄さんの印象が良かったからです。
彼はジミヘンのTシャツを来て宿の前に立っていました。
「ヘイ ジミ!ここは一泊いくらなんだい?」 と彼に尋ねた。
彼は例の一言を言わなかったので、おれはここに決めました。
「ハロー マイ フレンド!」
そう言って寄ってくる連中は決して“マイフレンド”なんかじゃない。腹の中は真っ黒の商売人なんだ。
それはここもインドと同じだった。
けどジミ —本名アショールー はすごく控えめな奴だし宿代も15リラ(1000円ちょい)と安い。
ここにはギターがあって、ジミはよく練習をしていた。 おれはジミにジミヘンの曲を教えるようになったので彼もおれの事をジミと呼び始めました。
隣のゲストハウスにもギターを弾く兄さんがいてサンタナが好きなので、おれは彼を“カルロス”と呼んでいました。
実はこの二人はいとこ同士で、9ヶ月前に一緒にアルジェリアから渡ってきたという。
「おれたちはもう戻れないんだ」
とある日、ゲストハウスの前のテーブルに二人で座っていた時にジミは話し始めました。
政治的な理由で二人は祖国を追われてここに来たというのだ。詳しい理由はおれは知らない。
「話すと長くなるよ」 とジミが言うので
「じゃ、次の機会にしよう」 って言ったきりになってしまったのだ。 ばかばかばか!
—とにかくこいつぁベキムとそっくりの状況じゃないか
「ノルウェーに来た当時には言葉も分からないし誰もおれの過去の事を知らない。
まるでおれはそれまでの自分を失ったような気がしたんだ」
今製作中のドキュメンタリーの主人公、ノルウェー在住のボスニア人・ベキムの言葉を思い出した。
同じ事を感じてるか? と尋ねたら
「当たり前さ」
とジミは静かに答えました。
ジミとカルロスは今難民のライセンスの取得を待っているという。
ブユカダ島からここを訪れる時、二人はいつも「ジミ!」と言っておれを迎えてくれ、部屋に荷物を置く前にゲストハウスの前のソファに座って彼らとセッションするのがいつものパターンでした。
ある日三人でゲストハウスの前でまったりとしていて、おれはギターを弾いていました。
演奏をやめるとカルロスは 「音楽を止めないでくれ」 と切実な感じでおれに言った。
まるで音楽がないとやりきれない何かがあるかようでした。
ま、きっと音楽がすごく好きなだけかも知れないけどね。
いつかここに戻ってきたら彼らの暮らしの撮影をしたい。それを持ってアルジェリアの彼らの家族を訪れたい。
旅もまたジャムセッションなのだ。
バビロン・パレス
オヌールとユスフという二人の若者とはギュルシャンのワインバー“Misket”で出会った。
イスタンブールの繁華街、タクシム通りのすぐ裏手にある薄汚いビルディング。
通称 “バビロン・パレス”が彼らの棲みか。
一階がBarなら、彼らが住んでいる最上階も元Bar。
彼らはよくおれを誘ってくれたので、おれはこのバビロン・パレスに泊まった事もあった。
バルコニーにはソファとテーブル。ここは歓楽街の夜の喧噪を静かに見下ろせる場所。
二人はラマダンが終わったら中東のドキュメンタリーを撮影する旅を予定しているという。
でも予定はあるけど肝心なお金が彼らにはない。
「すまない。ちょっとここのビール代払っといてもらっていいかい?」
とオヌールが申し訳なさそうに頼んできた事が何度かあった。
「いつもこんな訳じゃないんだ。今は仕方がないんだ」
トルコの厳しい状況は誰かから聞いてた。
とにかく彼らの素朴な人柄をおれは日に日に好きになっていった。
イスタンブール最後の夜、タクシムでBabazulaのライブがあったので
その前に“バビロン・パレス”に最後の挨拶によった。
みんな疲れていたけど食事を作ってくれ、おれの最後の時間をすごく大切にしてくれた。
そういう心優しいところがすげぇいい。
「いつか一緒に作品を作ろう」 という約束はいつか果たしたいぜ。
Jimi & Carlos
When i was in Istanbul city, i always used same guest house.
Because first impression of a staff of this guest house was good.
He had Jimi Hendrix T-shut on.
"Hey Jimi,how much is your accommodation?"
He didn't say one popular expression. That't why i decided to stay there.
" HELLO MY FRIEND! "
According to my experiece, when somebody come to you with this sentence, he is never your friend. He will try to cheat you soon or later.
But Jimi is very peaceful guy and here cost is just 7 euro.
And they have guitar. this attructed me as well.
There are another staff. He likes Carlos Santana so much. So i called him "Carlos".
In fact, they are cousins. 9 month ago they arrived Turkey from Algeria.
"We can not go back to Algeria anymore" Jimi said.
They escaped from their country by some political reason.
But i don't know about the details.
"It will be long story" Jimi said.
"OK, tell me next time" i answered. Then we never had time to talk about it again... Stupid!
Anyway it's very similar situation with Bekim!
He escaped to Norway 13 years ago as a refugee.
"At the bigining,i couldn't speak language, nobody knows my past. So I felt like I lost my identity "
I was remenbering what he said.
"Do you feel same thing?" i asked to Jimi.
"Sure. Why not" Jimi answered.
Jimi and Carlos, now they are trying to get refugee ricense.
One day, i want to shoot their life and go to Algeria to show this film to their family.
Travel is also jam session.
"Babylon palace"
I met two young guys Onur and Yusf at Misket,Gursen's wine bar.
One old building, standing on the back street of Taksim where is big fashion town in Istanbul.
It's called "Babylon palace".
They stay upstair in this building.
They are also going to make some documentry film.
We became good friend. One night i stay Babylon palace. From the balcony, you see night on the town.
The last night in Istanbul, i went there. They try to have good time for me.
One day, I wish we can rialize our drem which is make some documentry film together.
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